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ベンチャーキャピタリストはキラキラ職業じゃない? ――Skyland Ventures岡山佳孝氏が語る「地味でカオスな日常」

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2017年8月現在、Skyland Venturesで唯一の社員である岡山佳孝氏。大学5年目を迎えた2014年、松山太河氏のブログで「ベンチャーキャピタリスト」という職業を知り、「資本主義の根幹にかかわる仕事だ」と直感しVCキャリアの門をたたいた。入社3年目の26歳は、自分の仕事、そして一癖ありそうなボスをどう見ているのか。Skyland Venturesの実態に迫る。

KNOCKS編集部より

2017/10/04
  • 岡山佳孝YOSHITAKA OKAYAMA
    スカイランドベンチャーズ株式会社
    Skyland Ventures アソシエイト

    Skyland Ventures アソシエイト。大学在学中よりベンチャーキャピタルでのアソシエイトを経験し、累計4年のVCでの勤務経験がある。うち、1年はSkyland Venturesの投資先八面六臂で働いており、スタートアップの実務経験も有する。現在は新規投資とコワーキングスペース#HiveShibuya の管理人を務める。法政大学卒業。

ボスの第一印象は「最悪」

ベンチャーキャピタリストって、いわゆる「キラキラ職業」ですよね。

よくそう言われるんですよ! 華やかな側面もあると思います。けど、日常生活でやっていることは、ほんと地味ですね。Twitterで会ったことない知らないアカウント、一人ひとりにDM送りまくったりしてますから(笑)。

ほかのベンチャーキャピタルとは違うSkyland Venturesの特徴は何ですか?

Skyland Venturesアソシエイト・岡山佳孝氏

25歳以下の若手起業家の”発見”にフォーカスして投資しているところですかね。自分もそうだったんですけど、業界経験ゼロ、気合だけ、知り合いいない、みたいな「いったい誰なんだ?」と思う人に投資して、成功するというルートを作れれば、社会へのインパクト周りの人への影響力大きい。そういう木下のチャレンジは、社会的にも意義があると思っています。あと「自分たちのスタイル」をずっと模索しているところは特徴的ですね。

Skyland Venturesの中でよく話題になるのは「自分たちにしかできないことって何だろう?」ということです。「Hi-STANDARD」ってバンド、知ってます? 彼らのライブを見ると「do my best(ベストを尽くそう)」とか言ってて、よく考えるとダサいじゃないですか。でもスタイルが確立されているから、「かっこいい」と思える。そんな、やること、言うことがフィットしてかっこいいみたいな、スタイルを見つけられればいいなと思っています。

木下さんって、ぶっちゃけ上司としてどうですか?

最初の印象は正直、最悪でしたね。ベンチャーキャピタル関連のイベントで初めて会った時は「感じの悪い人だなあ」と(笑)。でも0か100か、振れ幅すごそうみたいな直感(笑)。一緒に働いてみると、楽しいです。ただ、うちは会社っぽくないので、“上司”感はないですね。「いつも気迫がすごいな」と思っています。

仕事の役割分担は?

木下の号令を僕がかたちにしていく感じですね。雑談や木下のアポイント、スケジュールとかから何をやるべきかを察して言語化し、プランを出して、採用されるように頑張る。「明らかに違うんじゃないかな」と思うときは「どうしよっかなあ」と悩みつつも、「違うんじゃないですか?」とたたみかけていきます(笑)。

大企業よりもベンチャーのほうがヘルシー?

やりにくさはないですか?

経営者がみんなそうであるように、木下も新しいアイディアをどんどん試していきたい人間なんですよね。いまやっている起業家向けのコワーキングスペース「#HiveShibuya」は、木下がひらめいてから約2週間で立ち上げました。起業家もいない、オフィスもない、もちろん備品も揃っていない。その状態から4、5社集めて、入居させて、投資して――解がない中、ひたすら詰められながら、何とかやり遂げましたね(笑)。

「入社しなければよかった」と後悔したことは?

Skyland Venturesアソシエイト・岡山佳孝氏

う〜ん、ないですね・・・。「もっと早く始めればよかったな」とチラッと思ったりはしますけど、大学時代は1ミリも起業とか知らないまま全力で遊んでたし、楽しかったしなあ。後悔はありません。

でも「大企業に行く」という選択肢だってありましたよね。

父親が個人事業主なので、サラリーマンの肌感覚が僕にはあまりわからなかったんですよね。雑なイメージだったんですけど、スーツは着たくなかったし。だから大枠はベンチャーかな、と。大企業に勤めている友達は大変そうだなと思います。話を聞いて「えげつな〜!」って驚いたりして。卒業以来会っていない金融系勤務の友だちが、急に電話してきて泣き出していたこともありました。「俺、仕事で辛すぎて泣いたことないなあ」とびっくりしましたね。

ベンチャーのほうが大変な面もあるんじゃないですか?

ベンチャーには、ずっと続く粘着質な小さなストレスがないんですよ。プロジェクトを任されたりすれば、短期的に大きなストレスがかかるけれど、それは引きずらない「よいストレス」だと思います。いざというときも辞めやすい。健康にも気をつけるようになります。

二元論ではないので、「ベンチャーに勤めればみんなハッピーになる」とは思わないし、すべての会社を知っているわけではないけど、周りの友人を見ていると、大企業よりベンチャーのほうがヘルシーでいられるんじゃないかと僕は思いました。

福利厚生は?

ありません!(キッパリ)

ここ5年で頑張ったのは「入社の意思決定」だけ

毎日どんなスケジュールで働いているんですか?

だいたい朝10時に出社して、夜の8時、9時まで働いて――何をもって「仕事」と定義するかという問題はありますけど、ずっと働いてますよね。僕は仕事以外にやることがないんです。だから生活の基盤がすべて仕事に紐づいているんですよ。ジムに行っている時とたまに遊びに行っている時以外は、だいたい働いてます。

ええええ!!!

大学時代、塾講師を4年間やっていたときは、生徒の都合に合わせて僕の予定が決まるから、オフィスに泊まり込んだりもしていました。それであんまり四六時中仕事してるみたいなことに違和感はなかったです、だから僕は「人間には自由意志なんてない、すべて環境に規定されているんじゃないか」と思っているところがありますね。流されて順応しながらそれなりに、生きてます多分(笑)。

では、毎日充実している、と。

毎日楽しいですよ。「講演してください」と声をかけてもらったりすると、承認欲求が満たされてうれしいですしね。それにこの仕事をやっていると「発見」が訪れる瞬間があるんです。たとえば「起業家って自分とは違う存在だと思っていたけど、意外と“人間”の延長線上にいるな」とか。寝ているときにすごいアイディアが降ってきて、事業展開してみたら爆発的に売れた――みたいな起業家はそんなにいなくて、わりと地道です。しつこさとか諦めなさとかはすごいあると思います。

こういう発見が得られるのも「ベンチャーキャピタリスト」という役割を与えてもらっているからですよね。僕が一人でフラフラしていても、単に頭おかしい奴で、誰も声をかけてくれません。「役割」は人から借りている服だと思っていて、自分のものではないけど、それに合わせて自分がそれっぽく変わっていくのは、すごく不思議ですよね。

どんな人がSkyland Venturesに向いていると思いますか?

うちに限らずベンチャー向きの人は、「不確実性」をよろこべる人じゃないですかね。「1週間後、中国に行くぞ」と突然言われたりしますから。それって普通、ストレスじゃないですか。「えー? 予定入れちゃってるよ。最悪じゃん!」ってなる。でも、僕はそう聞くと「会社のお金で中国に行ける、ラッキー!」と思うんです。そういう人は向いているかもしれません。

岡山さんにとって「Skyland Ventures」はよい環境といえる?

そうですね。3年前この仕事を始めたとき、僕は完全に怪しい人でした。「いまベンチャーキャピタルにいる」と親に言ったら、「悪い人からおカネを受け取っているんじゃないか」と詰問されたりもしましたね(笑)。3年経って、こんな取材されるような機会をいただけるとは、思ってもみませんでした。地方から僕に会いに来てくれる人もいます。

Twitterでやりとりしていた人を東京在住だと思い込んでいて、来てもらったときに「四国在住」と聞いて「ごめん、ごめん!」ってこともありました(笑)。

いまの僕の立場は僕の力ではありません。木下、活躍している投資先の方々、時代があってやれているだけです。自分がこの5年スパンで唯一頑張った決断は、大学時代に就職活動をすべて切り、「わからないSkyland Venturesに直感で入社する」という意思決定をしたことだけですね。僕は自分がいる場所やコミュニティの後光を浴びながら生きてると思っています。だからそういうものをちゃんと流動的に他の人にも分けていければいいなと。

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読者から届いた質問

木下さんを立ててあまり話さない印象があるのですが、ご自身をどんな役割だと考えていますか?

岡山佳孝さんのウラバナシ

木下といるときは僕は話さないようにしてるからですかね、木下も伝えたいことあるなかで僕がはいっちゃうと配分的にも薄まっちゃいますしね。あと、あまり自分のことは出す必要もないと思ってるのもあるかもしれないですね(笑)

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“The Seed Maker.”というミッションを掲げ、テクノロジー産業に大きなインパクトを与える種(シード)を創るためのリスクマネーを提供するベンチャーキャピタル(VC)です。

木下慶彦/ 2012年8月/ 5 人/ VCファンド運営・インキュベーション/

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