ソーシャルレンディングをより身近にするために、デザイナーができること
クラウドポート・UIデザイナー日比谷氏

ソーシャルレンディング比較サイトを運営するクラウドポートの日比谷すみれ氏と、アイテム現金化アプリCASHを運営するバンクの河原香奈子氏は、ともにお金にまつわる新しい体験をサービスを通じて提供している。ユーザーとの接点をデザインするデザイナーが試行錯誤する点とは――。
日比谷すみれ(ひびや・すみれ)
株式会社クラウドポート・UIデザイナー。早稲田大学商学部卒業。学生時代にbtrax、ペロリでwebデザイナーを経験。卒業後はヴォラーレ株式会社(現ナイル株式会社)のwebデザイナーを経て、株式会社グッドパッチでシニアプロダクトマネージャー、UIデザイナーを担当。2017年7月、株式会社クラウドポートに入社した。
河原香奈子(かわはら・かなこ)
株式会社バンク・デザイナー。多摩美術大学卒業後、株式会社ブラケットに入社。「STORES.jp」のリードデザイナーをつとめたのち、株式会社バンクの創業メンバーとしてアイテム現金化アプリ「CASH」や新サービスの立ち上げに携わる。

学生時代はマーケター志望だった

――2人が出会ったのはいつですか?

河原香奈子・株式会社バンク/デザイナーと日比谷すみれ・株式会社クラウドポート/UIデザイナー(右)

日比谷:1、2年ぐらい前ですかね。香奈さんがまだブラケットにいたころかな。きっかけは、何かのイベントか懇親会だったと思います。そのときは、ご挨拶程度の会話をしただけだったと思います。

――リアルに出会う前から、お互いのことはご存知だったんですか?

日比谷:香奈さんのことは、その前からツイッターをフォローしていました。

河原:私も、すみれさんのことはフォローしていたのですけど、思っていた通りの人という印象でした。

日比谷:あのとき、どんな話をしましたっけ?香奈さんは多摩美出身なんですけど、「グッドパッチにも多摩美の人が何人かいて・・・」とか、たしかそんな話ですよね。

――日比谷さんはグッドパッチからクラウドポートに移られたんですよね。

日比谷:もともとスタートアップが好きで、クラウドポートに入った時に「この感じ懐かしい!」と思いました。というのも、学生時代に創業期のペロリでwebデザイナー兼雑用をしていたのと、1社目で入社したナイルも当時はどベンチャーで。

――学生時代から、UIデザインやweb開発の仕事をしようと思っていたんですか?

日比谷:まずデザインに興味を持ったのはかなり遅くて大学3年の夏なんです。それまではマーケターになりたくて、普通の四大でマーケティングを勉強していました。ところが、本来なら就活を始める大学3年の夏に偶然サンフランシスコのデザインエージェンシーのブログで「デザインとは課題解決」という言葉と、ロジカルに進んでいくデザインプロセスを知り、衝撃を受けて。そのまま大学を休学しそのサンフランシスコの会社にインターンしに行ったんです。

――ペロリで働いていたのは、何がきっかけですか?

日比谷:そのインターンを通じて、熱い思いを持つ起業家とプロダクトにたくさん触れました。webサービスを作るってとんでもなく大きな変革を世の中に起こせるのかもしれない、と思っていたところ、アメリカから帰国したらちょうど綾太郎さん(中川綾太郎・元ペロリ代表取締役)が起業するタイミングで。「雑用でも何でもします」とアプローチしたのがきっかけです。

――そこではじめてwebデザインと遭遇したわけですか?

日比谷:そうです。フォトショップとイラストレーターを初めて使ったのは、大学4年の夏でした(笑)。ただ、htmlコーディングは小学5年生ごろから中学3年まで毎日夢中になって取り組んでいて。その時の知識をアップデートしながら、ウェブサイトの作り方を学んでいきました。

柴田氏の見た目はコンサル男子ぽいが、中身はまったく違った

――グッドパッチとクラウドポート、ジャンルはまるで違うように思えますが、なぜクラウドポートに移られたんですか?

日比谷:デザインの力がまだまだ及んでいない領域で今の自分を賭ける意気込みで何かやりたいなと思っていたのと、小規模でスピード感のあるチームで働きたいなと思っており、この2つを叶えてくれたのが、クラウドポートでした。

実はグッドパッチに在籍しながらクラウドポートの仕事を業務委託で手伝っていて。最初は全く移るつもりはなかったんですが、途中から「あれ?アリかも?」と思うようになっていって・・・。いざ、グッドパッチを辞めるとなったとき、代表の藤田さんと柴田さんに「入るのアリですか?」と聞いたら、「アリ」と返答を頂いて、それで転職が決まりました。

河原香奈子・株式会社バンク/デザイナーと日比谷すみれ・株式会社クラウドポート/UIデザイナー(右)

――その「アリかも?」の理由は?

日比谷:実際に業務委託で働いてみて、プロダクトの領域とメンバーがいいなと強く思ったからです。ソーシャルレンディングは知れば知るほど日本人や投資初心者にぴったりの資産運用方法だなと思ったし、プロダクトをローンチしたときの投資家さんからの反応がすごくて。また、ソーシャルレンディングへの参入事業者もどんどん増えているのを見て「これはアツいな」と思いました。メンバー面では、柴田さんと一緒に働いて「私の目指すべきはこの人だ」と思ったんです(笑)。

――日比谷さんから見ると、柴田さんってどんな人ですか?

日比谷:非常にロジカルなんですが、同時に人の気持ちをすごく考えて行動する人です。一見「コンサル男子」というか、冷たい感じがするんですけど、実際はその都度「チームがどう上手くワークするか」を考え、人の気持ちをよく考えている優しい人だなと思います。一緒に働いてみたら、見た目から受ける印象とまったく違いましたね。

――では、河原さんから見た光本さんは?

河原:光本の口癖が「狂ったようなことをしよう!」なんです(笑)。いつも突拍子もないようなアイデアを出してきます。CASHを見ていただけると多分わかると思うんですけど、一瞬「え?」って思うかもしれないけれど、ものすごくストレートでシンプルなビジョンを打ち出しています。一緒に働く身としては、やりがいを持てるというか、そういう存在です。

――河原さんはブラケットからバンクに移籍ですよね。

河原:そうです。光本がブラケットの代表を辞めるタイミングで一緒に移りました。光本と私、ブラケットにいたエンジニアの男性の計3人がバンクに移籍しています。

――3人のスタートアップって、度胸いりませんでしたか?

河原:ずっと一緒に長く働いてきたメンバーだったので、そこは不安はなかったです。

ソーシャルレンディング投資を、より当たり前な選択肢の一つにしたい

――ソーシャルレンディングって、たしかにこれからの資産運用の選択肢の一つになるんじゃないかなと、話を聞いていて思います。

日比谷:そうですね。実際に自分自身もまったくの投資初心者状態から資産運用全般について勉強した上でソーシャルレンディングを始めてみたのですが、私のような投資初心者にこそぴったりの投資だと感じています。他方で、ほかの資産運用と比べて「胡散臭さ」が多いのは課題だなと感じています。

――どの辺が日比谷さんから見て「胡散臭く」思えますか?

日比谷:株式投資では投資先の会社がどこで、どんな事業をしているか、どんな業績かすべて公開されているので分かりますが、ソーシャルレンディングでは投資家は自分のお金の貸付先を知ることができません。これは貸付先の保護の観点ですが、投資家はその貸付先を選定した事業者を信頼するしかありません。

しかしその一方で、事業者のサイトを見ても必要な情報がどこにあるかわからない、見づらいことが多いです。

また、ソーシャルレンディングのファンドは年利平均8%と利回りが銀行預金の金利に比べて信じられないくらい高いのに、過去3年で貸し倒れはなし。話がおいしすぎて、「逆に怪しいんじゃないか」と思う人がいるのはよくわかります。

――そういう中で、デザイン面で心掛けていることってありますか?

河原香奈子・株式会社バンク/デザイナーと日比谷すみれ・株式会社クラウドポート/UIデザイナー(右)

日比谷:これまでの業界内の慣習的なUXに囚われずゼロベースでのソーシャルレンディング投資体験を考えるようにしたいなと思っています。たとえば、最近リリースしたソーシャルレンディングのポートフォリオ管理機能は投資家さんにユーザーインタビューを繰り返し、ソーシャルレンディング投資で確認したいポートフォリオの情報って何だっけ、という点を起点にデザインを進めました。

デザインプロセスとしては、スタートアップでどんどん新しい機能や改善を繰り返していきたいため、常に「仮説を持ったデザイン」を心がけています。

――「仮説を持ったデザイン」とは?

日比谷:新機能をリリースして得たい結果やKPIの改善のために、視覚的なことを工夫すればいいのか、情報設計を工夫すればいいのか、プロダクトのフェーズとデザインの論点を明確にすることが重要だと思います。自分もチームも今の論点が明確になっていると検討から実装までをスピード感持って進められると感じています。

――現段階でのサイトのデザインは、丁寧に説明することに視点を置いてますよね。

日比谷:そうですね。先ほども言ったとおり、ほかの事業社さんのwebサイトからデータを引用表示し比較するためのサービスであるため、誤解のないデザインを心がけています。

――ただ、あまりにわかりやすさを心がけると、ベタなテイストになる危険性もありますよね。

日比谷:まだまだ道半ばですが、意気込みとしては、ソーシャルレンディング界のスタンダードを作っていけたらいいなと思っています。投資家さんのボリュームゾーンは30、40代なのでその層の方たちの日々の投資活動で使ってもらえることを意識しつつ、新規の投資家さんを獲得していくという意味でもう少し若い層にも使ってもらえるように挑戦したいなと思っています。

すべてをハックしようとする柴田氏と、真逆の光本氏

――光本さんと柴田さんから、一緒に旅行に行ったというエピソードをうかがいました。とにかく2人とも、少しでも時間があったらそこに予定を埋めていく。「段取り命」かつ知的な動き方をされてるなあと、ちょっとビックリしました。

日比谷:柴田さんは、ものすごく無駄が嫌いな方ですね。一度ミスったなと思ったら次からは絶対にそのミスをしないというか…。

たとえば、私が「コーヒー飲んで胸やけがする」と言ったら「そんなときは、これがいいよ」って、さっと薬が机から出てくる。日頃の筋トレについても、ロジカルに無駄なくパフォーマンスをあげようとしている。仕事から体力づくりまで、本当にすべてをハックしようとしている感じがします。

河原:柴田さんは、光本とは真逆のタイプだと思います。光本は、朝のミーティングのとき、二日酔いということが結構あって…それで服にコーヒーこぼしたりとか、あれこれ忙しいなと見ていて思います(笑)。

――それぞれ「こういう人と一緒に働きたい」という後輩像はありますか?

河原:既存メンバーにはない、新しい視点を持っている人です。一緒にCASHを多角的な視点で成長させられたらいいなと思います。あと、サービスに対して、しっかり愛情を持って取り組んでくれる人です。それが一番です。やっぱり「愛」ですね。

日比谷:資産運用、特にソーシャルレンディングというものを日本でもっと広げていくのが弊社事業の根本です。そのミッションに共感してくれ、一緒にプロダクトの根本から考えたいという思いを持っている人がいいです。

――柴田さんが「『僕に憧れて来ました』みたいな人は嫌だ」って言ってました。

日比谷:ヤバいヤバい。私、ヤバいかもしれない(笑)。でも、「クラウドポートで資産運用を広めてやるぞ」という思いがあったから、セーフだったんじゃないかと思います。

カメラマン: きくちよしみ、 ライター: 今井順梨
株式会社クラウドポートに興味をもった、
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