月間PV9億のゲームメディア「GameWith」が見据えるスマホゲームのこれから

株式会社GameWith

今年6月、創業4年のスピードで上場を果たしたベンチャー企業「GameWith」は、スマホゲームの攻略法を中心にしたゲーム情報サイトを運営する会社だ。驚くべきはその集客力。月間のページビューは8億9000万、ユニークユーザー数は4176万人にも達している。

なぜ、そんなにも多くのアクセスを集めるサイトに短期間で成長することができたのか。そこには、ゲーム業界の環境変化を見据えたしたたかな戦略があった。GameWith代表取締役社長の今泉卓也氏(28)と、ベンチャーキャピタリストとして同社を創業時から支えてきたインキュベイトファンドの村田祐介氏(37)に、ゲーム業界の変化をどう捉えているのかを語ってもらった。
今泉卓也(いまいずみ・たくや)
株式会社GameWith代表取締役社長。1989年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。大学在学中にゲーム会社の立ち上げにCTOとして参画。同社の解散後、2013年6月、スマホゲームの攻略を中心にしたゲーム情報サイトを運営するGameWithを創業した。
村田祐介(むらた・ゆうすけ)
インキュベイトファンド代表パートナー。1980年生まれ。立教大学経済学部卒業。2010年、インキュベイトファンド設立、代表パートナー就任。メディア・ゲーム関連領域を中心とした投資・インキュベーション活動をおこなうほか、ファンドマネジメント業務を主幹。GameWithでは、事実上の共同創業者として今泉氏と共にプロダクトの原型作りから関与。現在もベンチャーキャピタル(VC)の立場だけでなく取締役としても経営参画している。

「ゲームの市場が劇的に変わったんですよ」

――GameWithが成長する原動力となったのは、スマホゲームの「攻略法コンテンツ」ということですが、そこに注力しようと考えたのは、なぜですか?

今泉:もともと僕や村田さんはゲームが好きで、一緒にゲーム開発の会社をやっていたんですが、うまくいきませんでした。リベンジしようということで立ち上げたのがGameWithです。何をやるか考えていたときに、村田さんがゲーム攻略に興味を持っていることを知り、面白いテーマだと思いました。

村田:それまで個人のゲーム攻略サイトはいくつもあって、ゲーム好きはよく見ていたんですが、会社が本格的に運営しているサイトはほとんどなかった。そこにはチャンスがあるんじゃないかと思ったんですよね。

株式会社GameWith代表取締役社長・今泉卓也氏とインキュベイトファンド代表パートナー・村田祐介氏

今泉:ゲーム開発は当たれば大きいですが、ボラティリティも大きい。ゲームを作るのではなく、いろいろなゲームの攻略情報を集めたサイトを作ることで、確実にゲームユーザーを集客し、ゲーマーのプラットフォームをつくっていく、というイメージでした

村田:攻略サイトに来るユーザーは、ゲームを熱心にプレイしている人が多いので、長く遊んでくれるんですよね。そういうユーザーが集まっているサイトというのは、ゲームの開発会社から見てもプロモーションの場として魅力的なんです。つまり、広告媒体としての可能性が大きいわけです。

――それにしても「8.9億PV、4176万UU」というのは、すごい数字ですよね。

今泉:ゲームの市場が劇的に変わったんですよ。それまでの攻略サイトが対象としていたのは、家でプレイするテレビゲーム(コンシューマーゲーム)で、ユーザーはゲーム機とソフトを買わないといけない。どんなにヒットしたゲームでも、ユーザー数はゲーム機の販売台数を超えないんです。でもスマホゲームだと、ほぼ全員が「ゲーム機」を持っている状態です。しかもゲームは無料でダウンロードできる。その結果、ゲーム人口の桁が変わったんです。

村田:5年前の段階では、まだみんなが普通にスマホを持っているわけではなかったので、スマホゲームの市場も小さかったですが、いまは大ヒットしているゲームはデイリーのアクティブユーザーが数百万人もいたりします。これはコンシューマーゲームしかなかった時代には考えられない現象です。

今泉:もう一つ、スマホゲーム自体が進化したことも大きいですね。初期のスマホゲームは、テレビゲームに比べてゲーム性が低かったんですが、スマホの性能が向上し、ゲーム開発会社も本格的なゲームを作るようになって、環境が一変しました。

村田:iPhoneが登場したのは2007年。それから5年たって、パズドラがリリースされました。それまでのスマホゲームは、ブラウザ上でプレイするカードゲームが中心だったんですが、2012年にようやく、パズドラという本格的なネイティブアプリのゲームが出た。これで、ユーザーの感覚が大きく変わりました。

スマホゲーム市場は多様化の時代へ

――GameWithは、スマホゲームの市場が大きく変わろうとする波にうまく乗ったわけですね。UUが4000万というと、ネットユーザーの半数近くなので、ライトなゲームファンもいるのではないですか?

株式会社GameWith代表取締役社長・今泉卓也氏

今泉:ゲーム攻略サイトというと、コアなゲームファンばかりと思われがちですが、GameWithが対象としているのは、ゲームをやっているすべてのユーザーです。ライトなユーザーでもゲームをやっていると、定期的にわからないことが出てきますよね。そうしたタイミングでググると、GameWithの攻略サイトが出てくるわけです。ゲームで行き詰まるたびに、うちにやってくる。

村田:そういうライトなユーザーまで、ゲーム市場の裾野が広がったということなんでしょうね。通勤電車で暇つぶしにスマホゲームをやっているユーザーも、ゲームをもっと進めたいと思って、分からないことを検索して、攻略サイトに行き着くようになっている。

――パズドラが登場してから5年。いまのスマホゲームの状況はどんな感じでしょうか?

村田:パズドラとモンストという爆発的にヒットするタイトルが出て、スマホゲームの市場は一気に拡大し、8000億円のマーケットになりました。以前と比較すると最近はゲームの種類も増えてきて、ユーザーが分散するようになってきています。

今泉:トップセールスのランキングを見ていると、毎日順位が変わるようになってきました。ゲーマーが多様化しだしているということでしょうね

村田:パズル系のほかに、ガチガチのRPGやMMOやアイドル系のゲームもある。24時間ぶっ通しでやり込むようなものもあれば、暇つぶしにやるものもある。それから、ゲーム実況の動画を見ているだけで楽しいという人もいる。スマホゲームの楽しみ方が多様化していっています。

今泉:スマホがほぼ全員に行き渡った状況の中で、スマホゲームも成熟期に入ったということだと思います。ゲームユーザーの多様化を受けて、僕らのビジネスモデルも変化していかないといけないんですね。

村田:GameWithの立ち上げ初期にゲーム攻略に注力したのは、「ゲームユーザーは品質の高い攻略サイトに集まる」という仮説があったからです。トップゲーマーに攻略記事を書いてもらって、自分たちが一番早く攻略情報を発信できるような体制を作った。ただ、ゲームユーザーが多様化してくると、攻略サイトに求められるテーマも変わってきます。

インキュベイトファンド代表パートナー・村田祐介氏

――そのような変化にどう対応していこうとしているのですか?

今泉:いままではトップタイトルの攻略情報に集中していればよかったけれど、今後はニーズの多様化に対応するために、ユーザーが情報を投稿するCGM型のコンテンツを強化していきたい。そういう狙いで、「コミュニティ」というサービスを始めました。

村田:ゲーマー同士で交流して、情報を交換できる場を作ろうということですね。それから、実況動画を楽しみたいというユーザーのために、トップゲーマーによる動画配信にも力を入れています。

任天堂Switchとスマホゲームは競合しない

――今年は任天堂からSwitchが発売されて大きな話題になりましたが、コンシューマーゲームとスマホゲームの争いについてはどう思いますか?

今泉:実は、両者はそれほど競合になっていないと、僕は思っています。ゲームをするタイミングが異なるんです。スマホはずっと持っているので、スマホゲームはいつでもどこでもできる。電車の待ち時間などのすき間に遊ぶことができる。その時間は、テレビゲームに取られるわけではない。実際に、Switchが話題になったときも、スマホゲームのユーザーは減らなかったという実感があります。

村田:コンシューマーゲームは休日に家でゲームをやりたいとか、より没入感が高いレベルのゲームを楽しみたい人がプレイするという感じでしょうね。これからVRのタイトルもどんどん出てくるので、新しいコンシューマーゲームをやる人も増えるでしょう。

今泉:僕らもスマホゲームだけにこだわっているわけではなくて、スマホ、ブラウザ、テレビゲーム機と、いろんなプラットフォームのユーザーを獲得していきたい。それがセオリーだし、テレビゲームのコンテンツも拡充していきたいと思っています。

――今後のゲーム業界の動きとして、注目していることはありますか?

株式会社GameWith代表取締役社長・今泉卓也氏とインキュベイトファンド代表パートナー・村田祐介氏

村田:海外ではものすごく盛り上がっているeスポーツですね。プロゲーマーのプレイを数万人の聴衆が見て楽しむイベントですが、アメリカやヨーロッパ、韓国では、一流のゲーマーが社会でリスペクトされるようになっている。日本でもそういうコミュニティが広がれば、とても面白いはずです。

今泉:僕もeスポーツには期待していて、日本でもっと普及させたいと思っています。GameWithとしてどう関わっていくかは探っているところですが。

村田:海外では、賞金が億単位のeスポーツの大会があって、ゴルフやテニスのようなプロスポーツと同じ扱いになっているんですが、日本の場合は、法律の問題があって、高額賞金の大会は開けないという問題もあります。そのあたりの整備が必要です。

今泉:海外と日本の事情の違いといえば、海外ではPCゲームが盛んだけど、日本ではごく一部の人しかプレイしていないという問題もあります。ゲームのジャンルも、日本で人気があるのはRPGだけれど、海外はアクション系のFPS(ファースト・パーソン・シューティング/一人称視点の射撃ゲーム)が人気だったりする。eスポーツが日本で成功するためには、海外と同じやり方をしてもダメで、日本流のeスポーツの文化を作っていかないといけないのではないか、というのが僕の考えです

村田:GameWithはゲームユーザーが集まる場を作ってきたので、eスポーツでも、ユーザーが集まれる場所を作っていきたいですね。

今泉:現状の日本においては、プロゲーマーが賞金だけで生計を立てるのは厳しい状況です。まずはプロゲーマーの賞金以外の収入源を作るところを、GameWithの既存サービスとのコラボも含めて支援していければと思っています。

カメラマン:きくちよしみ
株式会社GameWithに興味をもった、
サーバサイドエンジニア・Androidエンジニア・iOSエンジニア・ディレクター・Webデザイナー・UI/UXデザイナー・データサイエンティスト・CSマネージャー・ソリューション営業担当・採用担当・総務担当・社長室スタッフはこちらから 今すぐエントリー

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